このプロジェクトについて

先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現

(研究予定期間:2020~2029年度)

世界中で生産される農作物の4割以上が、病害虫・雑草などの有害動植物によって失われています。これら有害生物の防除は、マイナスをゼロにするという一見地味なことですが、今後さらに増え続ける世界人口を支えるためにも、これら失われる収穫を回復しなくてはなりません。

これまでは化学合成農薬に頼った防除体系でこれらの有害生物に対応してきました。化学農薬自体の環境影響はかつてに比べると低くなっており安全性は高まってはいますが、害虫における薬剤抵抗性の発達や農薬散布のタイミングの決定などの問題があり、これまでどおり化学農薬に過度に依存した防除体系は持続できないと考えられています。

害虫も本来、自然生態系の一部をなす存在です。害虫をゼロにするのではなく、害虫被害をゼロにするという発想で取り組めば、持続可能な農生産体系を構築できるのではないでしょうか。

そこで私達は「先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現」を目指し、最先端の技術を総合して、化学農薬に依存しない害虫防除技術体系を開発し、消費者・生産者・環境すべてにやさしい害虫防除技術を開発しています。その大きな3つの柱は「革新的な物理的害虫駆除技術 –レーザー殺虫技術–」「生物多様性を生かした害虫防除を実現するオールマイティ天敵」「昆虫の細胞内に共生する微生物を利用して病害虫を抑制する技術」です。(それぞれの研究内容はこちら

この農業体系に興味を持たれた生産者の方、またこれらの技術の製品化に興味を持たれた企業の方、ぜひご連絡ください

なお、本研究は内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業(管理法人:生研支援センター)によって実施中のものです。

広域から圃場まで、一貫した害虫防除

行動・倫理規範

私達のコンソーシアムは、これらを守って研究開発を進めます。

  • 環境にやさしい害虫防除体系の構築を目指します。
  • 人々の人権、人格、多様性を尊重します。
  • 国内外の法令を遵守します。
  • 研究費は適正に使用します。
  • 軍事研究は行いません。

参画機関

代表機関:
京都大学大学院農学研究科

参画機関:
農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門
農業・食品産業技術総合研究機構 基盤技術研究本部 農業情報研究センター
農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門
東北大学大学院農学研究科
大阪大学レーザー科学研究所
東京農工大学
摂南大学農学部
東京慈恵会医科大学熱帯医学講座
東京農業大学農学部デザイン農学科